完全人工光型植物工場における栽培では、リーフレタスよりホウレン草は難易度としては難しく。温度・湿度環境や光波長(光量)によっては徒長ぎみの形の悪いホウレン草ができあがってしまうからだ。富士通では、そのホウレン草に関する低カリウム化に成功している。
富士通の植物工場、一般品種ホウレンソウの低カリウム化・生サラダ商品として販売開始
富士通ホーム&オフィスサービスは7月14日、完全閉鎖型植物工場「会津若松 Akisai やさい工場」で栽培した、洗わずに食べられる「キレイヤサイ」シリーズの低カリウム野菜に、低カリウムホウレンソウを加え、販売を開始した。
「会津若松 Akisai やさい工場」では、富士通の「FUJITSU Intelligent Society Solution 食・農クラウド Akisai」(食・農クラウド Akisai)を活用した低カリウムレタスを栽培しており、2014年5月より発売している。今回は低カリウム野菜のラインアップに、公立大学法人秋田県 立大学との共同研究で開発した、低カリウムホウレンソウが加わった。
ホウレンソウはカリウム含有量の多い野菜だが、同社では通常のホウレンソウが葉100gあたり690mgのカリウムが含まれるのに対し、240mg以下に抑えられたという。これにより、カリウムが気になる人も生のまま食べられるという。
また同社の低カリウムホウレンソウは、サラダとして食べられるよう品種改良されたサラダホウレンソウとは異なり、品種改良されていない一般的なホウレンソ ウを柔らかい葉になるように育てるとともに、エグミの原因とされるシュウ酸を控えて、生食を可能にしている。このため、ホウレンソウらしい深い味わいが生 食で楽しめることが可能である。