植物工場日記 Plantfactory’s Diary

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太陽光利用型植物工場にてパプリカ生産のベジドリーム。2014年度の出荷量は830トン

 豊田通商が出資する農業生産法人のベジ・ドリーム栗原は太陽光利用型植物工場にてパプリカの生産を行っている。
ハウスの高さは7.5m、宮城県内に3カ所の施設があり、合計の栽培面積は6.7ha。2014年の出荷量は、年間合計で830トンとなっている。3カ所の施設では、周年出荷を実現するために定植時期などをずらしながら生産している。

 

宮城県の北西部に位置する栗原市。広大な水田の向こうに、巨大なハウス四棟が並ぶ。農業生産法人「ベジ・ドリーム栗原」のパプリカ農場だ。

 近づくにつれ、ハウスの大きさに圧倒される。一つのハウスは、高さ七・五メートル。幅、奥行きはともに百メートルだ。ハウス四棟で、栽培面積は計 四ヘクタール。ハウスの一つに入って、またびっくり。五メートルもの高さにまで丈が伸びたパプリカの葉が、密林のように生い茂る。

 「室温などハウス内の環境はコンピューターで管理しているんですよ」。ベジ・ドリームに出資する豊田通商(名古屋市)農業事業グループ課長職の山本敏宏さん(51)は話す。温水や養液はコンピューターが制御。台車も自動で動く。

 ベジ・ドリームがパプリカを栽培する農場は、ここを含めて県内三カ所。栽培面積は計六・七ヘクタールに上り、二〇一四年度は年間計八百三十トンを出荷した。ハウスによって栽培時期をずらし、一年中、新鮮なパプリカを出荷している。

 トヨタグループの総合商社・豊田通商が、パプリカの生産を手掛けるようになったのは、〇八年。冷凍ギョーザの農薬混入事件などで、消費者の食への安心・安全の意識が高まった。そこで、九割以上を輸入に頼るパプリカに目を付けた。

 夏場も比較的涼しく、企業の農業進出に支援がある宮城県を生産拠点に選び、ベジ・ドリームを設立した。以来、出荷に使う箱や置き場を見直すなどト ヨタ流の「カイゼン」を取り入れ、絶え間なく効率の引き上げを図っている。同県大衡(おおひら)町の農場では、自動車工場の廃熱を利用している。

 それでも、夏の暑さは予想以上だったり、冬には日照不足になったり。自然相手の試行錯誤が続く。ベジ・ドリームの農場長、福島克行さん(58)は「パプリカの世話をするのはやはり人。愛着を持って世話をすると収穫量も増えるようです」とほほ笑んだ。

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