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沖縄セルラー、LED補光による太陽光利用型植物工場向けのアプリ開発へ

沖縄セルラー電話は、家庭用の植物工場(人工光型)に続いて、琉球大学(沖縄県西原町)と沖縄特産のマンゴーの収穫量を増やすための共同研究を始めた。植物工場の運営で培ったIT(情報技術)を生かし、発光ダイオード(LED)を使って日照不足を補う仕組み作りやアプリ開発を目指す。同社は植物工場や沖縄の特産品のネット通販にも力を入れており、通信事業以外の収益の柱を育てる。

沖縄セルラー電話が運営する植物工場=南城市(同社提供)

マンゴー栽培、IT活用 沖縄セルラー、琉球大と共同研究

沖縄セルラー電話は琉球大学(沖縄県西原町)と沖縄特産のマンゴーの収穫量を増やすための共同研究を始めた。植物工場の運営で培ったIT(情報技術)を生かし、発光ダイオード(LED)を使って日照不足を補う仕組み作りやアプリ開発を目指す。同社は植物工場や沖縄の特産品のネット通販にも力を入れており、通信事業以外の収益の柱を育てる。

 同社は2013年から植物工場を運営し、栽培したレタスなどを販売する。10月から沖縄科学技術振興センターの協力を得て、琉球大工学部と宮古島産マンゴーの栽培で共同研究を始めた。まず来夏の収穫に向けてデータを収集する。

 贈答用としても人気が高いマンゴーは収穫量が増加傾向にあるものの、天候に左右されやすいため収穫量が安定しない問題がある。16年は長雨や日照不足、寒波の影響を受けて不作となり、県内農家に打撃を与えた。

 植物工場のノウハウを生かし、日照不足を補うためLEDを使う。光を反射させるシートを使い、マンゴーの色づけをよくする。琉球大は光合成に必要な二酸化炭素(CO2)を葉に局所的に添加する技術を利用。栽培期間中の適正な温度管理や、収穫したマンゴーの品質管理、生産農家の栽培技術をデータ化する技術も研究する。

 将来は研究成果をまとめ、農業アプリを開発。マンゴーの生育状況を判断し、農家が最適な時期に作業できるようなシステムを目指す。収穫時期を早められれば、夏に沖縄を襲う台風の被害を避けることもできる。

 沖縄セルラーは特産品販売やインターネットを通じた観光情報発信にも力を入れる。7月には通販サイト「沖縄特産品本舗」の事業譲渡を受けた。

 観光分野では観光向け情報サイトの「沖縄CLIP」を運営、ライターがおすすめのカフェや観光施設などを紹介している。今後、沖縄CLIPを閲覧した人が、通販サイトを利用しやすいようリニューアルを検討する。通販サイトは年間売上高1億円を目指す。

 沖縄セルラーの国吉博樹ビジネス開発部長は植物工場と観光関連事業の「2つの収益基盤をまずは安定させる」と強調。今後も本業の通信事業に利益を還元できるような新事業を育てる方針だ。

マンゴー栽培、IT活用 沖縄セルラー、琉球大と共同研究 :日本経済新聞

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