植物工場日記 Plantfactory’s Diary

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群馬県による廃校利用した植物工場。閉鎖型陸上養殖との融合モデルを検討

 特に地方の過疎化による学校の統廃合によって、廃校を利用した植物工場の建設・運営事例が増えているが、成功事例と呼べる事例は、ごくわずか。廃校でも管理維持手数料が必要なことから、改修費用のみ負担してもらえれば、入居や活用企業に無償で貸し出すケースが多いようだ。以下、関連記事を掲載。

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 みどり市は、少子化で二〇一一年に廃校になった旧神梅小学校(同市大間々町上神梅)の校舎を活用し、魚の養殖場と野菜や果物を栽培する植物工場を誘致する計画を進めている。地元への経済効果や新たな地域特産品の開発などを狙った取り組みで、今年十二月の操業開始を目指している。

 市は、設備などのノウハウがある関東建設工業(太田市)から事業提案を受け、契約に向けて協議している。旧神梅小の校舎は三階建て。計画では一階をフグやカキなどの養殖場にし、二、三階でイチゴやマンゴー、葉物野菜などを水耕栽培する。

 魚の養殖設備は「閉鎖循環式陸上養殖」と呼ばれる方式を採用。施設内で使用する水を循環ろ過して再利用することで、自然災害や水温変動の影響を抑え、外部への水の汚染もないという。校舎の屋上や校庭に太陽光発電パネルを設置し、施設の電力をまかなう。

 廃校を利用した養殖場と植物工場は新潟や栃木など他県でも例があるが、両方を同時に行う例は珍しい。市は「海なし県で育てた魚」などと新たな地元ブランド品として売り出すことも検討している。

 旧神梅小の敷地の六割は借地という。市はこの借地を購入して全体を市有地にした後、事業用地として六千平方メートル分を同社に有償で貸し出す方針。校舎の貸し出しは、耐震補強や施設改修などの工事費を同社が全額負担することと引き換えに無償にする方向で調整中だ。

 市側には、閉校後も年間約二百万円かかっている同校の維持管理費がなくなり、さらに年間約百万円の賃貸収入を得られる利点がある。市内の児童生徒の工場見学や災害時の協力も契約条件に盛り込む予定。校庭の南側と体育館は市が保有したままとし、体育館は改修して公民館や災害時避難所として活用する。

 市は昨年末に地元説明会を開き、住民に理解を求めた。地元の大間々町第十七区の須藤正美区長は取材に、「住民はおおむね前向きにとらえているが、水の汚染や太陽光発電パネルの反射光など周囲に影響が出ないよう気をつけてほしい」と注文した。

東京新聞:みどり市、廃校利用し誘致計画 魚養殖場や植物工場:群馬(TOKYO Web)

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