滋賀県の方で、バラ栽培のためにオランダの最新設備を導入した太陽光利用型植物工場が稼働した。温室は1棟で約1.8ha、バラの栽培に適した温度は日中が22度、夜間が17度程度であるために冷暖房施設を導入している。
守山市のバラ栽培業者「クニエダ」が、同市欲賀町に国内最大規模のバラの温室を完成させ、21日竣工式を行った。バラは温度や湿度の影響を受けやすく、生育の難しい花とされている。オランダの最新技術を取り入れた温室で、年間を通じた出荷量や品質を安定させるとともに、規模の拡大による生産コストの軽減を目指す。
温室は1棟1万8720平方メートルで、オランダで普及している最新の環境制御技術を取り入れた施設。暖房のほか冷房も備えており、コンピューターで温度や湿度、日照時間などを管理することで、年間を通じてバラの生育に適した環境を持続できる。
同社の國枝武夫社長(66)によると、バラの栽培に適した温度は日中が22度、夜間が17度程度。従来の温室では冷房がなく、日本では夏場に温度が上がりすぎるため、安定した栽培は難しいとされていた。
國枝さんは約15年前から施設園芸の先進国であるオランダを視察し、温度を自由に調整できるバラの栽培施設を研究してきた。この温室では17品種12万5千株を栽培し、年間400万本の出荷が可能になる見込みで、一企業の生産量としては国内最大級という。