シャープはドバイにてコンテナを利用した完全人工光型植物工場にて、イチゴの試験栽培や設備プラントの販売事業を行っている。こうした医療関連機器や植物工場など、健康・医療分野の事業を分社化し、親会社の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業グループ会社との合弁会社にすると正式発表した。
シャープは24日、医療関連機器など健康・医療分野の事業を分社化し、親会社の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業グループ会社との合弁会社にすると正式発表した。シャープの医療関連技術の研究開発を強化するほか、鴻海の販路を活用し、海外展開を加速させるのが狙い。鴻海側の出資を受け、シャープは平成29年3月期連結決算で約8億円の利益を計上する見通し。
3月1日付で新たに持ち株会社と事業会社3社を設立。同31日付で鴻海子会社から持ち株会社に過半出資を受け、傘下に事業会社のシャープライフサイエンス社(神戸市)と英国、米国にある3社を置く。
分社化の対象となる事業は、タンパク質分析装置や微生物センサー、血圧測定技術、植物工場など。国内の病院や研究機関に販売していた、これらの製品や技術を、鴻海が経営する台湾の病院に納入するほか、海外展開の拡大を狙う。
健康・医療事業は「鴻海で郭台銘会長がライフワークとして事業化を進めてきた」(同社首脳)分野。分社化は、シャープがもつ医療関連技術の研究開発に積極投資する意向を反映したものだ。同社は「シャープの競争力の源泉である独自の技術力を強化し、鴻海との協業効果の最大化を図る」としている。