植物工場でのメリットは、様々な項目の環境制御が可能であることだ。植物にとって最適な環境条件を再現することもあれば、厳しい環境を与え、植物工場にストレス付加によって機能性成分を向上させる方法がある。
今回の場合、青色LEDを収穫前に照射し、窒素を含まなえい養液を供給することで、通常の野菜よりビタミンCが数倍~10倍近くまで向上した、という。
以下のように他企業も植物工場での機能性アップに向けた研究を行っているようです。
ビタミンやミネラルを多く含む野菜の栽培方法を、府立大の竹葉剛名誉教授(植物生理学)が開発した。室内栽培で、収穫前の一定期間に強い青色発光ダイオード(LED)を当て、窒素を含まない養液を与えるのが特徴。この方法で育てた小松菜やリーフレタスは、標準のものより数倍~10倍近く多いビタミンCを含んでいるという。葉物野菜の栽培に適し、生産物を「健康野菜・けいはん菜」と名付けた。業者に情報提供し、商品化を目指していく。
竹葉名誉教授が、精華キャンパス(精華町)内にある植物工場で2012年度から取り組んできた。工場は太陽光発電を主電源とし、光や温・湿度、土の代わりに用いる栽培養液の成分などの生育環境を調整できる。野菜の光合成や養分吸収に関する研究成果を踏まえ、栽培試験を重ねた。
その結果、けいはん菜は、ビタミンCなどの抗酸化成分やミネラル成分が標準より多くなった。一方、野菜に残留し、人の体内で影響を及ぼす怖れがある硝酸塩の濃度は低減した。強い青色光が植物にストレスとなり、自身を守るめに抗酸化成分を蓄えるためと考えられるという。
特許を出願中で、竹葉名誉教授は「栄養価の高い野菜の量産が可能になる。植物工場は水を循環させて栽培するので、水資源の少ない地域で効果的に栽培することも期待できるのではないか」と話している。