植物工場日記 Plantfactory’s Diary

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野菜価格の高騰続く。1kgが1,000円以上の植物工場野菜にも注目が集まる

業務用をターゲットに植物工場野菜の調達割合が増える可能性あり

台風や長雨、記録的な日照不足など全国的な天候不順で、野菜の高値が続いており、植物工場野菜にも注目が集まっている。例えば完全人工光型植物工場では、葉野菜類としてリーフレタス、水菜、ホウレンソウなどが栽培されているが、どの葉野菜も基本的には卸値で1,000円以上となる。

露地レタスと比較して、可食部の割合や歩留り率、加工時の省力化(水洗い不要など)、安全性などの様々なメリットを打ち出しても、露地野菜と大きな価格差が普及を阻害している。

今後も、全ての葉野菜が植物工場に切り替わることは現実的に不可能で、価格の逆転もないだろうが、年に数回の野菜価格の高騰などを受け、リスクヘッジもかねて、主に業務用をターゲットに植物工場野菜の調達割合を増やすことはあり得るだろう。

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天候不順で野菜高騰続く スーパーため息「20年以上店をやって初めての値段」

台風や長雨、記録的な日照不足など全国的な天候不順で、野菜の高値が続いている。生育不良で出荷量が減った野菜だけでなく、不足を補う形で購入される他の野菜にまで高値は波及。農林水産省は「今月末には落ち着く」とみるが、ニンジンなど一部品目では高値の継続も予想されている。

 「20年以上店をやって初めての値段を付けた」。東京都練馬区のスーパー「アキダイ」の秋葉弘道社長(48)は、そう明かす。市場の卸売価格が高騰し、普段なら1袋100~150円のホウレンソウに一時298円の値札を付けざるをえなかった。コマツナ、ミズナなども通常の1・3~2倍の価格で販売。それでも、全体の3分の1ほどが原価と同じか原価割れだという。高値野菜の代わりに買われるため、平年並みだった他の野菜にも高値が広がっているといい、秋葉さんは「こんなに多くの品目が高値になるのは珍しい。後で集計してため息をつくと思う」と嘆いた。

 農水省によると、9月の日照不足などにより高値になっているのは、ホウレンソウ、ピーマン、キュウリなど。ただ、天候の回復で今月末には多くの卸売価格が落ち着くとみている。

 一方で担当者が「11月以降も高値が続きそうだ」と指摘するのが台風被害のため北海道産の出荷が落ち込んだニンジンとジャガイモだ。ニンジンは11月から千葉県や長崎県で出荷が始まるものの、両県とも天候不順で出荷量が平年より少なくなる見通し。ジャガイモは年内に北海道以外の産地からの大きな出荷がなく、状況は変わらないという。

 農水省は「卸売価格が落ち着いても、小売価格に反映されるまで1週間から10日かかる」としており、家計への影響は今しばらく続きそうだ。

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