植物工場日記 Plantfactory’s Diary

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自然光とLEDによるハイブリッド型植物工場

 自然光とLED光源のハイブリッド型植物工場を開発した大洋化学(株)では、昨年の11月から試験栽培を開始し、2015年2月末を目途に市場へ出荷する。当面は水菜、リーフレタス、ルッコラを中心に生産し、今後はクレソンイタリアンパセリ、バジルといった様々なハーブ野菜の生産に取り組んでいく予定。


 ハイブリッド型植物工場は、同社北側の駐車場に約100平方メートルの温室ハウスを設置。室内には銀イオン 発生装置、次亜塩素酸水、噴霧器を導入し、2段による多段式にて生産している(養液循環式)。下段は直管型LED照明のみ、上段は自然光とLED照明の併用して栽培する。

その他、防藻・抗菌性の効果が期待される銀イオンには同社製銀イオン発生装置(同社製小型水力発電を内蔵)を用い、養液循環配管には生育促進や殺菌効果、防藻・水垢対策でマイクロバブル(超微細な気泡を発生させる器具)も導入している。

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その他の例:煙突状から自然光を反射させ室内に取り込み、野菜を栽培する方式もある。沖縄大学などが試験栽培を行っている。

 

現状の植物工場(人工光型)はランニングコストの3割が電気代が占めており、省エネのLED光源に切り替えても、大きな電力コストは避けられない。こうした費用が最終的には野菜の生産原価・販売価格に転嫁されることにより、植物工場野菜は価格が高い、との結論になることが多いが、自然光・LED光源とのハイブリッド型植物工場によってコスト削減をはかれるだろう。

ただし、完全閉鎖・人工光型の植物工場と異なり、外部環境に少なからず室内が影響を受ける。毎日変動する気温・自然光などに対して、室内環境を一定に維持するには高度な技術が必要となるだろう。

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