植物工場日記 Plantfactory’s Diary

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被災地エリアに太陽利用型植物工場によるトマト生産

 植物工場・農業ビジネスオンラインによると、福島県南相馬市農業法人南相馬復興アグリ株式会社」は2月9日、太陽利用型植物工場を建設し、トマトの生産事業を開始する計画を発表した。技術指導は高リコピントマトなど生食用を太陽利用型植物工場にて生産するカゴメが行い、年間660トンの生産を目指す、という。

カゴメ栽培事業へ参入当初は、太陽利用型植物工場の先進国であるオランダのシステムを丸ごと導入していたが、日本の気候条件や栽培品種にあわせて、マイナーチェンジを続けている。一部の労務管理などは国内企業と共同で開発することもあり、過去の栽培データ量や栽培実績としては国内ではトップとなるだろう。

福島・南相馬に太陽利用型植物工場が稼働 カゴメの技術指導と全量買取

 福島県南相馬市農業法人南相馬復興アグリ株式会社」は2月9日、太陽利用型植物工場を建設し、トマトの生産事業を開始する計画を発表した。今年の12月に栽培を開始し、来年の春に初出荷を予定している。技術指導は高リコピントマトなど生食用を太陽利用型植物工場にて生産するカゴメが行い、年間660トンの生産を目指す。

生産した商品はカゴメが全量を買い取り、一部はヨークベニマルのスーパーなどで販売される。植物工場の事業用地は、約2.4ヘクタールで栽培面積は約 1.5ヘクタールとなっており、用地取得費と建設費の合計は約11億円。環境制御システムを導入した養液栽培にて周年栽培を行い、地元を中心に約35名の 雇用を計画している。

福島・南相馬に太陽利用型植物工場が稼働 カゴメの技術指導と全量買取

<写真:カゴメ直営農場の一つ「いわき小名浜菜園」の様子。弊社による撮影>

 同社は2013年1月に設立され、南相馬市にて太陽光発電設備やグランパ社のドーム型回転式の植物工場(太陽利用型)で体験学習を行っている「南相馬 ソーラー・アグリパーク」の代表理事である東電の元執行役員の半谷栄寿氏が代表を務めている。会社には地元有志の他、ヨークベニマルカゴメ電通などが 出資している。

その他、あぶくま信用金庫東邦銀行の出資や融資、国の津波原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金などを活用しながら事業を運営する。農林中央金庫 では、東北農林水産業応援ファンド(復興ファンド)と、東北農林水産業応援ローン(復興ローン)の融資を行っており、復興ファンドでは、制度創設以来最大 金額となる6000万円を出資している。
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