山形県米沢市にて完全人工光型植物工場を運営する(有)安全野菜工場では、主に焼肉などを包んで食べるレタスの仲間・サンチュを生産している。植物工場の稼働は古く、1996年に創業している。
播種から収穫まで約45日、サンチュの生産量は1日2400株ほど。9000本もの蛍光灯で栽培。工場で働く従業員は16人で全て地元住民。アルコール消毒やエアシャワーなどによる徹底した衛生管理の中で生産されている。
サンチュは縦に伸びるため、栽培ラックと照明はチェーンによってつながれており、生長に応じて照明と作物の間隔を調整している。
値段は露地物よりは高いものの、天候による価格の変動がなく焼肉店などを中心に北海道から九州までのおよそ240の飲食店に出荷されている。サンチュが主力だが、スプラウト(新芽)ニンニク「鷹山にんにく」も生産している。
9000本の蛍光灯にて栽培している植物工場では、電気代は売上額の約25%を占める。コスト削減に向けた効率的な電力使用を模索中だが、同社の佐藤社長は発光ダイオード(LED)への切り替えは時期尚早と考えている。
「LEDはまだまだ高価で、初期投資の負担が大きい。また、光の当たり方が限定的で栽培面でも課題がある」とし、切り替えには「価格と植物工場で使うための性能アップが欠かせない」と佐藤社長は言う。