植物工場日記 Plantfactory’s Diary

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ロート製薬による太陽光利用型植物工場による薬用植物への取り組み

 ロート製薬では、太陽光利用型植物工場(水耕)にて葉野菜を中心に生産しているアプレと提携し、薬用植物工場に関する試験栽培を行う。2017年には収穫した薬用植物を同社の生薬関連の商品に採用する予定、という。

ロート製薬、水耕栽培のアプレ提携 七飯で生薬栽培へ 来春植物工場増設

 ロート製薬(大阪市)の山田邦雄会長は16日、渡島管内七飯町東大沼の植物工場で水耕栽培に取り組むア プレ(七飯、高橋広介社長)と、漢方薬の原料となる生薬の生産で提携したことを明らかにした。アプレは来春、生薬生産用の植物工場を1棟新たに建設。ロー トが建設費を債務保証する。アプレの水耕栽培は成長速度が速く、ロートは中国産に依存している生薬調達のルートを広げる狙いがある。

 アプレは、独自開発した養液を用いた水耕栽培に取り組み、今年2月には経済産業省の補助を受けて建設した植物工場2棟が完成。トマトやキュウリ、 レタスなど約30種の野菜を生産し、4月から出荷を始めた。一方で、数年前からは小規模な実験棟でカンゾウや朝鮮ニンジンなどの生薬の試験生産も手がけて きた。

 ロートは、肥満症や花粉症などに対応した漢方薬「和漢箋(わかんせん)」シリーズが好調だが、生薬の大半を中国に依存し、原材料調達コストが増加する不安を抱える。国内からの調達を模索する中でアプレの取り組みに着目。同社と事業支援契約を結び投資を後押しする。

 これを受けアプレは来春、稼働中の2棟と同じ約1500平方メートルの工場1棟を新設し、約半分のスペースで生薬栽培を始め、2017年にもロートに出荷する。アプレの山根基広専務は「生薬は土で育てると数年かかるが、水耕栽培だと1年ほどで育つ」と利点を強調する。

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