植物工場日記 Plantfactory’s Diary

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米国の都市型・植物工場アクアポニクス施設を運営するNPOが資金調達を開始

米国中東部・ケンタッキー州にて植物工場による都市型農業を推進するNPO組織「フード・チェイン」が加工施 設・調理場や販売店舗を建設するために30万ドルの資金調達を始めた。同団体は3年前、75,000ドルの資金調達を行い、人工光型植物工場による葉野菜 と魚の養殖を同時に行う一体型システム・アクアポニクスを建設した。
米国の都市型・植物工場NPO「フード・チェイン」がローカル・フードシステム確立のため30万ドルの資金調達を開始

同社では現在、約8,400㎡の旧パン工場をリノベーションされたスペースの一部にて生産しており、生産を開始した2013年から現在まで、週に 14kgの葉野菜、12匹前後のティラピア(魚)を継続的に出荷している。葉野菜はリーフレタスやハーブ野菜の大きなサイズのものから、飾り野菜としても 利用されるスプラウトに近いミニリーフまで、様々な野菜を生産している。

 

米国の都市型・植物工場NPO「フード・チェイン」がローカル・フードシステム確立のため30万ドルの資金調達を開始
米国の都市型・植物工場NPO「フード・チェイン」がローカル・フードシステム確立のため30万ドルの資金調達を開始

 

アクアポニクスのタンク。アクアポニクスでは、魚の糞尿などをバクテリアを介して分解し、野菜の水耕栽培の肥料として再利用されている。週に10~12匹ほどのティラピアを出荷している。

同社が入居する施設には、その他にも複数社が共同でオフィスシェアを行っており、例えば地元ローカル食材を積極的に採用し、手作りにこだわるレストラン 「スミスタウン・シーフード」も入居企業の一つ。このレストランが植物工場・アクアポニクスによる野菜・魚のほとんどを購入しており、生産施設とレストラ ンが併設した地産地消、あるいは「店産店消」に近い連携を行っている。

 現在の施設では、野菜や魚の生産・販売の売上によって植物工場(アクアポニクス)の運営コストである年間10万ドルの35%をまかなっている。その他は教育プログラムを通じた寄付や補助金によって運営している。
米国の都市型・植物工場NPO「フード・チェイン」がローカル・フードシステム確立のため30万ドルの資金調達を開始

米国中東部・ケンタッキー州では野菜の生産地が限られており、同社では都市部・周辺エリアに十分なローカル食材を提供するためのフードシステム確立を目指している。新たな資金調達では、植物工場による生産だけでなく、加工や販売も手掛けるために今回は650㎡のスペースを確保する予定となっている。

本プロジェクトでは現地の周辺農家や他のNPO組織とも連携しながら進めていく。子供たちの食育・栄養学や運動を推進するNPOや、小麦アレルギーにはグルテン・フリーのベーカリーショップ等と連携しながら、現地住民・子供たちに正しい「食」サービスを提供していく。
将来的には、雇用創出や人口増に貢献できれば、と考えており、キッチンは2016年秋、販売店舗は2017年の春を予定している。

innoplex.org

 

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