植物工場日記 Plantfactory’s Diary

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TPPによるコメ・野菜・果物への影響について

 JA長野中央会は、環太平洋経済連携協定(TPP)が発効した場合、長野県内の農産物産出額が1年間で約392億円減少するとの試算を発表し、特にコメを中心に危機感をつのらせているようだ。また2018年に生産調整(減反政策)も廃止となるため、補助金を脱却した新たな事業モデルを構築する必要があるだろう。

 

1993年のガット・ウルグアイ・ラウンドでは、多くの補助金が投入されたが、インフラ政府が中心で意欲のある生産者への支援は、ほとんど実施されなかった。当時は家族経営や零細農家がほとんどであり、現在のように大規模な農業生産法人や企業と連携しながら規模拡大をはかるような農家が存在せず、補助金を有効活用できる対象が少なかった、ともいえるだろう。

コメについて、米国とオーストラリアに政府管理の下で年7万8400トンの無税の輸入枠を新設するが、原則として1キログラムあたり341円の関税をかける現行制度を維持することになっている。政府は新たに入ってくるのと同量のコメを市場から買い上げると言っているので、ダメージはほぼゼロだろう。

 

一方、野菜は関税を撤廃することになったが、もともとほとんどの品目の関税率は3%や5%しかない。果物ではオレンジは16~32%の関税を段階的に削減し、8年目に撤廃する。競合する可能性がある国産ミカンへの影響は「味や食べやすさなどの点で差別化が図られている」とした。リンゴやサクランボ、ブドウも輸入品より品質が高くすみ分けができており「影響は限定的」と政府は分析している。

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