植物工場日記 Plantfactory’s Diary

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航空機やF1自動車の部品加工ノウハウを生かして植物工場へ参入。ベビーリーフやエディブルフラワーを生産

 金属精密部品の加工を手掛ける各務原市蘇原寺島町の「大堀研磨工業所」が先月から、完全人工光型植物工場による野菜の生産に乗り出した。航空機やF1自動車の部品加工で培った緻密な品質管理を“畑違い”の栽培に生かし、地元を中心に販路拡大を目指している。

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 会社の事務所から、百メートルほど離れた第二工場の二階にある「野菜工場」。広さは約百二十平方メートルで、発光ダイオード(LED)の照明がまぶしく照らす棚の上に、野菜が植えられたトレーが整然と並ぶ。野菜生産には五十九人の社員のうち三人が携わり、サラダに使われるベビーリーフとマイクロリーフ、食用花「エディブルフラワー」を栽培している。農薬は一切使用していない。

 本業である金属部品の研磨は細かい作業が多く、目に大きな負担がかかる。部品の持ち運びにも相応の体力が必要だ。会社は二年前から、定年を迎える社員が継続して働ける職場として、野菜の栽培に着目。今年六月、工場の空き部屋を野菜の栽培用に改装した。

 会社は航空宇宙関連の参入に必要な品質管理の規格「JISQ9100」を二〇一〇年に取得するなど、技術と品質管理の細やかさは国内企業でもトップクラス。野菜工場でも精密部品を造るイメージで管理を徹底した。壁には米国航空宇宙局(NASA)が開発した断熱シートを使用。出荷までの日数、肥料をやった量や間隔を記録に残す生産履歴管理(トレーサビリティー)はもちろんのこと、温度、湿度も一日三回チェックする。定期的な細菌検査は、精密部品生産のノウハウから取り入れた。

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