金属精密部品の加工を手掛ける各務原市蘇原寺島町の「大堀研磨工業所」が先月から、完全人工光型植物工場による野菜の生産に乗り出した。航空機やF1自動車の部品加工で培った緻密な品質管理を“畑違い”の栽培に生かし、地元を中心に販路拡大を目指している。
会社の事務所から、百メートルほど離れた第二工場の二階にある「野菜工場」。広さは約百二十平方メートルで、発光ダイオード(LED)の照明がまぶしく照らす棚の上に、野菜が植えられたトレーが整然と並ぶ。野菜生産には五十九人の社員のうち三人が携わり、サラダに使われるベビーリーフとマイクロリーフ、食用花「エディブルフラワー」を栽培している。農薬は一切使用していない。
本業である金属部品の研磨は細かい作業が多く、目に大きな負担がかかる。部品の持ち運びにも相応の体力が必要だ。会社は二年前から、定年を迎える社員が継続して働ける職場として、野菜の栽培に着目。今年六月、工場の空き部屋を野菜の栽培用に改装した。