今年の夏~秋は大型台風の接近や通常とは異なる進路をすすみ、野菜の産地にも大きな被害をもたらした。こうした野菜価格の高騰が発生するたびに、安定生産・価格が可能な植物工場野菜に注目が集まり、取引が伸びるのだが、一過性に終わり継続取引に至らないケースも多い。10月も、大根や人参、ホウレンソウ、きゅうり、ピーマン、ジャガイモなどは高騰が続くと予想される。
野菜高値、家計直撃=台風響き、出荷減少
農林水産省が主要野菜14品目を対象にまとめた10月の卸売価格見通しによると、平年比2割以上の高値と予想されるのは6品目。ジャガイモ、ニンジン、ダイコンは台風で、ホウレンソウ、キュウリ、ピーマンは関東地方の長雨などで、生育不足に陥った。ナスとトマトは10月前半は高値が続き、後半は平年並みに落ち着くと見込まれる。
9月下旬まで高値が続いていたタマネギは品不足が解消に向かっており、10月は平年並みに戻りそうだ。台風の影響で運休していた臨時貨物列車「タマネギ列車」の運行が10月1日に再開され、産地の北海道北見市からの運送ルートが復旧した。
大手食品メーカーも台風に翻弄(ほんろう)された。カルビーはポテトチップスの新商品発売を1カ月延期。年明け以降、米国からのジャガイモ輸入拡大を検討している。キユーピーは生産委託先の工場が浸水し、トウモロコシや大豆の缶詰など14品目の販売を休止した。(2016/10/07-17:40)