植物工場日記 Plantfactory’s Diary

植物工場・施設園芸・農業ビジネスなど、国内外の様々なニュースを紹介しております

プラズマランプによる完全人工光型植物工場システムの開発(仁光電機)

完全人工光型植物工場システムにおける光源は、現在はLEDがメインとなっているが、この他にも有機ELや今回のようなプラズマランプといった光源の開発も行われている。

 水耕栽培工場が稼働 社会福祉法人・函館一条 新ランプで費用抑制

 社会福祉法人函館一条(尾形永造理事長)が函館市旭岡町で運営する植物工場で11月に入った今、バジルやリーフレタスの葉が青々と育っている。照明器具開発・販売の仁光(にこう)電機(同市桔梗町、柏谷和仁社長)が開発した水耕栽培システムで、技術的なハードルを研究機関との連携で乗り越えた新型ランプを使用、安価に実現した。

 植物工場は、広さ約30平方メートルの倉庫を改装して機器を設置、今年4月に栽培を開始した。16灯あるランプが90センチ下の水耕栽培のポットを照らす。ランプ1基当たり約20株を栽培でき、バジルやリーフレタスは種まきから1カ月余りで収穫が可能になる。

 新たな授産事業を検討していた函館一条が、植物栽培システムを開発する仁光電機から昨年8月、実験設備の提供を受け、試験を開始。順調に生育が確認できたことなどから導入を決めた。建物の改装費を含む工費は約500万円。

 新型ランプは、水銀灯の代替品などとして近年普及が始まったプラズマランプで、植物の生育に適した太陽光に近く、強い光を放つのが特徴。従来の植物工場で普及している発光ダイオード(LED)よりも少ない灯数で済み、費用は従来の10分の1程度に抑えられるという。ただ、電磁波を扱う高い技術力が必要で導入のネックとなっていた。

 仁光電機は、道立工業技術センターと約2年前からプラズマランプの研究を行ってきたほか、道立総合研究機構道南農業試験場(北斗市)から栽培指導を受け、システムを開発した。

 栽培を担当するワークセンター一条の管理者佐藤浩樹さん(55)は「利用者の自立に向けての一歩となり、売り上げが上がれば利用者に還元できる。ぜひ成功させたい」と話している。柏谷社長は「植物工場は農地がなくてもでき新規参入しやすい分野。設備や育て方などさらに研究を進めたい」と話している。

 道南では今金町でも水耕栽培による野菜生産の計画があり、地元の今金高等養護学校と連携し卒業生の雇用の受け皿として期待されるなど水耕栽培が注目されている。(矢崎弘之)

水耕栽培工場が稼働 社会福祉法人・函館一条 新ランプで費用抑制 | どうしんウェブ/電子版(道南)

© Copyright 植物工場日記 Plantfactory’s Diary All rights reserved.