鹿児島の廃校を利用して、できる限り地産原料にこだわった化粧品・コスメ商品の製造・販売を行う事例です。全国にも廃校を活用して地産地消を進めるために植物工場による野菜の生産を行っている事例はありますが、生鮮野菜だけを販売しても大きな利益は望めません。
植物工場による野菜やトリミング後の廃棄される部分も含め、原料の一つとして活用し、周辺地域の農産品や植物を利用して加工商品・六次産業化を目指すのも良いかと思います。ただし、加工品を作れば売れるわけではなく、当然ながら、そこにはマーケティング・ブランディング戦略も重要になります。
都会にすんでいると、つい忘れがちな地方の人口減少。その急激な変化に対応を追われている地域もたくさんあります。そんななか、すばらしいアイデアで地域の活性化に一役担う、あるオーガニック化粧品メーカーがありました。
廃校を工場として再活用
それは過疎化・高齢化が進む鹿児島県南大隅町にある「株式会社ボタニカルファクトリー」。その所在地はなんと、小学校跡地にあります。最後の卒業生はひとりだったという廃校を引き継ぎ、植物が生まれ変わる工場として再活用しているとか。
また亜熱帯気候の植物が群生する北限にあたるこの地で、耕作放棄地対策の一環として、ホーリーバジル・月桃などを契約栽培し、過疎化・高齢化が進む地域での一役を担っているのです。
そこで今回、誕生したのが、ノンケミカルの地産コスメ「BOTANICANON(ボタニカノン)」のシリーズ。
赤ちゃんも使える化粧品づくり
近隣に生い茂る、限りある地産原料を丁寧に加工し、蒸留水・精油・エキスを抽出、そして商品製造までを一貫生産しています。もちろん商品は「合成界面活性剤・防腐剤・合成着色料・香料・アルコール」全てがフリー。
たとえば佐多岬産月桃蒸留水の原液100%を使用したスキンローションや、地場産4種類の無農薬ハーブエキスを使用したハーバルエッセンスミルクといったスキンケアシリーズのほか、地場産シトラス果実(ダイダイ)と月桃の蒸留水ベースのアロマリッチなシトラスアロマシャンプーなどのヘアケア商品。さらにハンドクリームや石鹸もあります。もちろん食器洗い洗剤は、生分解性の高い液体石鹸。赤ちゃんも使える化粧品づくりを心がけているそうです。
このようにすばらしいストーリーのあるアイテムなら、プレゼントにしてもよろこばれそう。購入はオンラインショップからできます。