日本企業によるロシア市場への進出により、現地での植物工場ビジネスが拡大しているようだ。日揮は太陽光利用型植物工場、JFEエンジニアリングも太陽光利用型で北海道に近いロシア東部エリアを狙っている。その他、千代田化工建設も完全人工光型植物工場にて中東だけでなく、ロシアへの販売も力を入れていく予定だという。
日揮は2017年度に東部ハバロフスクにある野菜工場の生産量を2倍の年産約2千トンに増やす。面積も2倍の5ヘクタールとする。投資額は数億円と見られる。16年2月に収穫を開始し、キュウリとトマトを地元むけに販売していた。農業投資を強化して極東ロシアの経済振興に協力する。
日揮は現地企業などとの合弁事業に約8割を出資し、2.5ヘクタールの野菜工場を運営する。温室内で水と肥料の供給を自動化し、通年栽培が可能。低農薬で安全を売りに好評でハバロフスクの市場シェアは1割程度といい、これを倍増させる。
JFEエンジニアリングも東部サハ共和国ヤクーツク市周辺で野菜工場の建設について調査する。ロシア企業が2.2ヘクタールの野菜工場を建設する構想があり、JFEエンジが建設計画の立案に協力する覚書を10月に締結した。
千代田化工建設も昨秋から海外展開を始めた野菜工場をロシアで売り込む。ロシア政府は冬季の野菜需要を満たすため20年までに1500カ所の野菜工場を建設する方針を掲げる。