植物工場日記 Plantfactory’s Diary

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植物工場・完全循環システムによる肥料使用量の削減

 完全人工光型植物工場の場合、水耕栽培(NFT、DFTなど)が主流で養液は完全循環式にて、物理的フィルターや化学殺菌(あるいは紫外線殺菌など)によって再利用される。太陽利用型では、養液はかけ流しで再循環させていないケースもあるが、ph/ECや水分量をモニタリングしながら、植物にとって最適な養分・潅水量を調整できる。

 

植物が生長する上での主力養分として、N(窒素)、P(リン)、K(カリウム)が挙げられるが、リン肥料はリン鉱石、カリ肥料の原料はカリ鉱石、窒素肥料の大部分はアンモニアが原料となっている。

窒素肥料は空気中に約80%含まれる窒素ガスを原料にして、これと水素を反応させて合成アンモニアを元に生産される。その際に利用される水素は、天然ガス由来のものが安価であるために原料として利用されることが多い。

 

資源に乏しい日本は、上記の肥料原料をほぼ全て輸入している。リン鉱石はモロッコ、中国、ヨルダンなどから、カリ鉱石はカナダなどから輸入しているが、近年は肥料価格の高騰に直面しており、肥料使用量の削減技術や代替肥料(有機質肥料など)が求められている。

以下、各国の肥料の使用量を示しておく。

★肥料消費量(2005年、FAO Statより)

  1. 中国:48,866(千トン)
  2. インド:20,588(千トン)
  3. アメリカ:19,274(千トン)
  4. ブラジル:8,057(千トン)

※ 日本は27位で、1,177(千トン)となっている。

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