過去にも植物工場によるイチゴの栽培について記事にした。日本はイチゴ栽培について高度な技術を保有しているといえる。その理由の一つが産地間競争による品種改良や品種に応じた最適な栽培方法の研究開発である。
関東にイチゴ栽培では「とちおとめ」が主流であるが、高級ブランドとしては福岡県の「あまおう」が一歩リードといった状況だ。こうした状況を打開するため栃木県では「スカイベリー」での生産・販売をスタートした。
スカイベリーは「とちおとめ」より表面が固く食感が良いのが特徴。果実の固さと甘さが桃に近い、と言わるほど。
この他の県では例えば茨城県では「いばらキッス」という円錐型で少し粒が小さいが、粒ぞろいの形が良い、といった特徴を持つイチゴの生産面積も増えている。茨城県の調査では「あまおう」1316円、「とちおとめ(茨城県産)」1023円、一方で「いばらキッス」は1094円にて販売されている、という。
このほか、「初恋の香り」とよばれる白いイチゴも開発されている。国内でも高級向け贈答用として高く販売されており、今後は輸出向けとしても注目されているイチゴの品種である。環境制御により理想環境を実現できる植物工場では、どの品種を選択するかも重要な成功要因の一つである。
初恋の香り
品種登録年:2009年(平成21年)。「初恋の香り」は果皮が白色~淡いピンク色で、熟しても赤くならないユニークなイチゴです。山梨県の種苗会社「三好アグリテック」と福島県の育種者によって共同開発されました。品種登録は「和田初こい」の名称でされています。果皮が普通のイチゴのように赤くなりませんが、香りがよくて甘みがあり酸味はおだやか。果肉は白色です。生産量は少なく、主に百貨店や高級フルーツショップなどで販売されています(2013年現在)。
初恋の香りという名前は、果実が熟すと果皮の白色が薄くピンク色に染まり、そのかわいらしい姿が初恋をイメージさせることが由来だそうです。参考:初恋の香り |イチゴ。以下の写真は三好アグリテック株式会社より引用。