植物工場や一般的なハウス(施設園芸農家)において、エネルギーコストは重要なファクターとなり、原油価格急騰は大きなリスクの一つである。施設園芸の野菜農家の場合、農業経営費に占める光熱電力費の割合が2005年の2~3割から、2008年には3~4割へ増加している。
マーケットについては、野菜の需要量は2007年で1540万トンと、近年は減少傾向であるが、加工・業務用需要は増加している。農林水産省「食料需給表」によると、加工・業務用の68%が国産野菜となっており、それ以外は外国から輸入しているが、食品製造業事業者等の8割が、今後国産野菜の使用量を増加させたいと考えていることから*1、まだまだ加工・業務向けの国産野菜ニーズはあるようだ。
また近年では環境制御を活用した大規模生産による収量増だけでなく、環境負荷軽減に対する対策も必要となる。2007年12月に食品リサイクル法が改正されたにも関わらず、食品産業における食品廃棄物などの発生量は年間1100万トン程度となっており、これは2002年(1131万トン)2007年(1134万トン)とリサイクル量は、ほとんど変化がない*2。
一部の大手食品・小売企業では、製造・流通過程の食品廃棄物をたい肥化し、その肥料を自社が運営する農園(露地栽培や施設栽培が中心)にて利用する循環型農業が実施されているが、まだまだ業界の意識も低いようだ。