植物工場日記 Plantfactory’s Diary

植物工場・施設園芸・農業ビジネスなど、国内外の様々なニュースを紹介しております

太陽光利用型植物工場による倒産・撤退事例

 太陽光利用型・完全人工光型の植物工場は設備投資が大きく、最初の投資金額と運営コストに占める減価償却費用が負担となり、黒字化するには非常に難しいようだ。たとえ、大きな補助金を受けた場合でも倒産する事例もある。以下のニュースによると、単なる販売先の開拓に失敗したようだ。

f:id:plantfactory:20141215220904j:plain

復興支援のために購入する業者や個人も、スタートとした2~3年くらいが限界ではないだろうか。それ以降は、他の植物工場野菜と競争することになり、商品の独自性や差別化をはかる取り組みを怠れば、販売先が伸びずに倒産する、ということである。


太陽光利用型植物工場を活用した震災復興事業が倒産へ | 植物工場・農業ビジネスオンライン

太陽光利用型植物工場を活用した震災復興事業が倒産へ

2012年6月に宮城県名取市に太陽光利用型植物工場を建設し、レタスやベビーリーフの水耕栽培による生産を行っていた農業法人「さんいちファーム」が事業を停止し、2015年1月に東京地裁に自己破産を申請する、という。負債総額は約1億4000万円。


同社は東京の環境コンサルティング会社「リサイクルワン」の支援を受け、現地の農家3名が中心となって設立した会社。

当初はリーフレタス類を中心に生産し、外食業者やスーパーや個人でのネット販売などを行い、初年度の売上高8000万円。翌年度以降は1億2000万円を 見込んでいたが、単価の高いベビーリーフを主力商品として切り替えたが、思うように販売先を拡大できず、14年3月期の売上高は約2700万円にとどま り、債務超過に陥っていた。


 同社が建設した施設の総事業費は約3億5000万円。うち7割は国や宮城県からの震災対策交付金で賄われた。今後は植物工場施設を民間企業に譲渡し、現地での事業継続を目指す方向で動いている、という。

© Copyright 植物工場日記 Plantfactory’s Diary All rights reserved.