植物工場日記 Plantfactory’s Diary

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植物工場によるアイスプラントの生産

 大きな補助金が確保された2009年を植物工場の3次ブームのピークとされており、2009年~2012年頃までは高付加価値野菜といえばアイスプラントであった。

アイスプラントは、サボテンのような肉厚の葉をもつ植物。土や水に含まれる塩分を吸収し、葉の表面の水泡に蓄える。まるで水滴がついているようだ。佐賀大学が食用に栽培方法を確立し、2006年から佐賀県で本格的に生産が開始された。

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(沖縄のインターナショナリーローカル社も完全人工光型植物工場にてアイスプラントを生産。東京の成城石井などのスーパーにて販売している)

 

2012年までの主要な供給会社4社を合計した出荷量は、1日あたり1万パックを超えるとみられる。その当時は、まだまだ知名度が低く、高級スーパーや百貨店で、1パック300~400円程度で販売されていた。


例えば、農研堂(佐賀大学ベンチャー)はアイスプラントを「バラフ」という商品名で07年に販売開始。日産2500~3000パック(1パックは70g)を生産している。JA佐賀が生産し、(株)アグリが生産するアイスプラントは「プッチーナ」という商品名にて流通しており、日産5000パック程度を生産している。


また、国立ファーム(東京)では、北海道、埼玉県の農家に生産を委託。「ソルトリーフ」という商品名で販売されており、。産地リレーで、周年で供給できる体制を整えた。店頭の試食販売にも力を入れており、販売先は高級スーパーとなっている。興味あっても実際に手に取る消費者は少ない、といった理由から社員を派遣、天ぷらなどのレシピ集を配りながら試食販売を行っている。現在の生産量は不明だが、当時の目標は年間80万パックであった。

青果物の生産、仲卸業務を行う(株)ベジテック(東京)では、愛知県・福島県の農家に無農薬・無化学肥料での生産委託を行い、「ソルティーナ」という名称にて販売している。

主に農家は安全性が担保されたハウス土耕やハウス水耕、民間企業の場合は完全人工光型植物工場での生産が中心となっている。2012年までは植物工場によるアイスプラントの生産事例も多かったが、近年は少し人気がなくなっている。2013年~の高付加価値野菜としては機能性野菜に注目があつまり、最近は植物工場による低カリウム野菜を生産する企業が急増しているようだ。

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