植物工場日記 Plantfactory’s Diary

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京都府立大学や京都大学と高校が連携し、最先端の植物工場や科学技術を利用して地域発展へ貢献

 京都府立大学では植物工場にて生産したリーフレタス「けいはん菜」を定期的に地元カフェに提供している。けいはん菜は、気温や栽培溶液を最適に整え、LEDの光の強度を調節、ビタミンやミネラルを増やした「健康野菜」で、カフェではランチメニューに使い、販売もしている、という。

府立大は昨年6月から、付属農場の植物工場で育てた「けいはん菜(な)」の一つのリーフレタスを月2回、精華町祝園西のカフェ「ここらく」に届けている。けいはん菜は、気温や栽培溶液を最適に整え、LED(発光ダイオード)の光の強度を調節、ビタミンやミネラルを増やした「健康野菜」で、カフェではランチメニューに使い、販売もしている。

 町が住民の健康づくりと障害者が働くカフェの魅力づくりのために納入を依頼、大学が応じた。植物工場を開発した竹葉剛元府立大学長(73)は「野菜本来のおいしさも若い母親や子どもたちに知ってほしい」と話す。

 昨年4月に大阪府高槻市から移転した京大農学研究科付属農場でも、同年11月からハウス栽培されたトマトやニンジンを本館1階で販売している。週に1度訪れるという主婦井本昌子さん(49)=同市南加茂台=は「安くて新鮮。トマトは甘くておいしい」という。

 今後は京都市と開発した新京野菜のトマト「京てまり」「京あかね」も販売する予定で、農学研究科の北島宣教授(64)は「住民から直接、品質評価を聞けば、開発や改良に役立つ。研究施設への理解にもつなげたい」と話す。

 木津高では一昨年、近くの新興住宅地の公園で、システム園芸科の生徒が育てた農作物を情報企画科の生徒と一緒に対面販売する「城山台ABCマーケット」を教育の一環として始めた。昨年は5月下旬から11月中旬まで夏休み期間中と9月を除いて、ほぼ毎週火曜日に開き、延べ436人が訪れ、野菜や花など計26万5910円を売り上げた。今年は生徒が栽培して製茶した緑茶の試飲コーナーも設ける予定という。

 一方、地元からは、大学や高校からの最新の知見や生産技術の提供、家庭菜園へのアドバイスも期待されている。

 竹葉元大学長は昨年、野菜への関心を深めてもらおうと、カフェ「ここらく」のランチタイムに野菜の栄養価をテーマにしたミニ講演を開いた。木津高には住民から「野菜の栽培法を教えてほしい」「生徒と一緒に栽培したい」との声が寄せられており、担当の鹿俣拓也教諭(37)は「生徒と教員がスキルアップを図り、期待に応えたい」という。

 木津川市は「京大農場で木津川ブランドとなる農作物が開発されれば、若手就農者育成にもつながる」(学研企画課)と期待、京大の北島教授も「トマト栽培で京都市や市内生産者から協力を得たように、木津川市でも新品種の栽培普及で連携したい」と話す。

学校発農業地域と連携 京都府立大・京大・木津高 : 京都新聞

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