専門職業大学の創設は中央教育審議会(中教審)が16年5月に文科省に答申し、同省と農林水産省などが19年春の開学に向けて制度設計や法整備の準備を進めている。県は20年春をめどに、全国の農業大学校に先駆けて制度移行を進める狙い。構想策定委員会では、新制度で規定される学習内容や整備費用、学費などを精査し、現場に重点を置いた最適な手法を検討する。
県立農林大学校には16年度、181人の学生が在籍している。高卒などの若者が2年間で園芸や茶業、畜産の実技を学び、希望者はさらに2年間、農業関連のビジネスなどを学ぶ。卒業生は県内の農業関連の企業や団体に就職したり、家業を継いだりしている。
2~4年の課程を想定する「専門職業大学」の修了者は、一般の大学などの卒業と同程度の学位を取得できる見通し。学生にとっては現場の技術習得に軸足を置きつつ、より高度な研究に取り組んだり、英語などの幅広い教養を身に付けたりする機会が増え、就職の幅が広がりそうだ。
県は、沼津市に拠点を整備している農業の先端技術開発の取り組み、オープンイノベーションや、既存の大学とも連携させる方針。
<メモ>農業大学校 学校教育法を根拠とする一般の大学と違い、農業改良助長法を根拠とし、農業の普及事業の一環に位置付けられる。県立農林大学校は1949年に農業講習所として設立され、組織改編を繰り返して2009年に現在の校名になった。2年間の養成部を修了すると、専門学校と同じ「専門士」を取得できる。
農林大学校、「専門職業大学」に移行 静岡、20年開学向け準備 (@S[アットエス] by 静岡新聞) - Yahoo!ニュース