富士経済の調査によると、完全人工光型植物工場の市場規模は2016年で49億円、2020年には80億円と拡大することが予測されています。本市場調査は国内のみ、あくまで生鮮野菜を生産することを目的とした完全人工光型植物工場が対象であり、医薬品や藻類、都市開発など応用テーマに関する市場は含まれていないようです。
■アグリビジネス関連市場(2016年は590億円)
養液栽培関連プラント及び養液・施設栽培関連装置・機器・資機材の市場については、民間企業の農業分野への新規参入や農業施設の大規模化といった要因により拡大した。また、栽培関連IT・ネットワーク技術市場については、施設環境制御・モニタリングニーズの高まりを受け急拡大している。
こうした背景によりアグリビジネス関連の2016年の市場は、前年比4.1%増の590億円となった。一方で、燃料価格の低下及び電気代値上げなどの影響で、施設栽培向けのヒートポンプ市場が縮小傾向にあること、また関東地方での雪害に伴う復興需要が一巡したことによる施設栽培関連機器の需要減など、市場拡大を阻む要因もみられた。
■完全人工光型植物工場(2016年は49億円)
完全人工光型植物工場は、食に対する安全・安心を求める消費者の増加や、近年の天候不順による露地野菜の価 格や供給量の乱高下などを背景に注目度が高まっている。近年小規模プラント導入から期間を経たユーザーが事業 の本格化へ向けて大規模プラントを導入するといったステップアップ式のプラント導入が増加している。
今後は、 こうした小規模プラントからの切り替えによる大型案件需要の増加や、大規模プラント導入に意欲的な民間企業が 栽培事業への参入を活発化させることで市場の拡大が期待される。