植物工場日記 Plantfactory’s Diary

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機能性表示制度による植物工場商品の差別化

 植物工場(特に人工光型)による野菜は、農薬不使用、水洗い不要や栄養価が高い、といったアピールをするものの、露地野菜との差別化に失敗し、結局は価格競争におちいる事例が多い。こうした現状を打破する一つの方法として今年春からスタートした「機能性表示食品制度」は大きな期待が集まっている。

以下、簡単に情報を整理しておく。

 

〈機能性表示食品制度〉

  • 「目の健康を維持」「おなかの調子を整える」「肌の乾燥が気になる方に」「骨の健康を保ちます」といった食品の健康効果について。具体的な病名・疾患に関する記載はNG
  • 申請には、論文を引用するか、人を対象にした研究成果が必要。科学的な根拠を添えて販売の60日前までに消費者庁に届け 出れば、審査なしに表示できる
  • 従来の「特定保健用食品」は、申請から許可までに2年前後かかるため、国の規制緩和の一環でスタート。ただし、国が効果や安全性を保証するものではなく、消費者はその点を理解して購入を検討する必要がある

<みかんに含まれるβクリプトキサンチン>

JAみっかび(浜松市)は、特産の「三ヶ日みかん」にこんな表示を検討している。ミカンに含まれる色素「β―クリプトキサンチン」には、骨粗しょう症のリスクを軽減する効果があるとされ、今夏にも表示を届け出る方針。

申請時の論文引用には、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)などが2005~09年、閉経した女性に行った調査を利用予定。ミカンを毎日4個程度食べる人は、毎日食べない人に比べ、骨粗しょう症の発症率が大幅に低かったという。ミカンには、肝機能維持や動脈硬化を防ぐ効果もあるとされている。

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<お茶に含まれるアミノ酸GABA(ギャバ)>

JA遠州夢咲(菊川市)は、血圧を下げ、リラックス効果があるとされるアミノ酸GABAギャバ)」を含んだ「ギャバロン茶」を申請する。元は緑茶と同じ茶葉だが、酸素に触れない処理を施し、ギャバを通常の緑茶の数倍に増やしたもので、同JAの工場で生産されている。<写真:http://www.s-tanpopo.com/SHOP/029.htmlより引用>

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